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運送業界の今後の10の見通し|運送業界で発生している問題3つ

運送業界の今後の10の見通し|運送業界で発生している問題3つ
日本企業の労働時間は年間約1,750時間ですが、トラック運転手に限ると約2,100時間となっていて約350時間も長く働いています。とりわけ運送業界では深刻な人手不足が大きな問題ですが、長年の懸案事項であった「低賃金」と「長時間労働」の解消が喫緊の課題です。

初回公開日:2019年5月20日

更新日:2019年10月29日

記事に記載されている内容は2019年5月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。


運送業界の今後の見通しは明るい面と暗い面両方ある

日本の運送業界は全貨物輸送量の約90%を担っていますが、インターネット通販など宅配サービスの多様化に伴って、運送業界の今後はさらなる輸送量の増加が見込まれます。

運送業界の現状の課題は労働力不足・労働環境・商取引慣行の3つに集約されますが、これら3つの課題は相互に関連性があります。運送業界の今後の展望を拓くためには、利害関係者を交えた「全体最適型の改善策」を模索する必要があります。

運送業界の今後の10の見通し

運送業界の今後の課題は、企業規模の大小に拘わらず共通している要素がありますが、それぞれの企業を取り巻く環境によって今後の課題の優先度や重要度に違いがあります。

運送業界の今後を見据えて、業界を牽引する大企業、特殊領域に強みを持つニッチ企業、特定地域に強みを持つ中小企業が協調し、事業領域の棲み分けや相互補完的な役割分担などを推し進め、運送業界の今後のさらなる発展と社会的貢献を果たすことが重要です。

運送業界の今後の見通し1:ネット通販による輸送量の増加

運送業界は今後、ネット通販の利用拡大に伴う輸送量の増加が避けられないことから、宅配サービス事業の利便性と経済合理性の両立を目指した利害関係者との合意形成を主導する社会的責任があります。

運送業界は今後、直面する労働環境や待遇の改善は当然としても、社会における運送業界の存在意義や付加価値を向上する観点から、サービスの多様化や生産性向上への取り組みが不可欠です。

運送業界の今後の見通し2:人手不足の進展

運送業界が今後、慢性的な人手不足の状況をこのまま看過していると、やがて小~零細の運送会社において経営が立ち行かなくなる可能性も否定できません。

運送業界の新規ドライバーの求人倍率は約4.0%で推移していますが、全産業平均の1.6倍に比べて際だって高い数値を示しています。運送業界の求人倍率が高い理由は、長時間労働と低賃金という世間からの評価の表れといえます。

運送業界の今後の見通し3:高齢化の進展

運送会社は今後、新規ドライバーの求人倍率が現状のままで推移すると10年後には約25%、20年後にはさらに約25%のドライバーが退職を迎えてしまいます。

大型長距離トラックのドライバーに限ると、現在40歳代のドライバーが40%、50歳代のドライバーが39%を占めています。そのため、運送業界全体においては人手不足の補充とは別に今後20年にわたって毎年2~3%のドライバーの新規採用が必要となります。

運送業界の今後の見通し4:採用活動の活発化

運送業界における今後の採用活動は、イベント・見学会・体験会など就職希望者を巻き込んだ参加型や体験型の人材募集のやり方が重要です。

従来の採用活動のやり方はハローワークや公告チラシに限定的でしたが、今後は行政機関や地域団体などと共催形式を含め、参加者に対してより訴求力の強いキャンペーンやプロモーション活動が望まれます。

運送業界の今後の見通し5:女性ドライバーの増加

運送業界の人手不足を解消するため、女性活躍社会を推進する一環として国土交通省が「トラガール促進PJ」を立ち上げています。

国土交通省のPJは、今後2020(令和2)年を目途として運送業や建設業に就業する女性ドライバーを4万人増やすことを目標としており、シングルマザーや子育てを卒業した母親などにターゲットとしています。

運送業界の今後の見通し6:賃金制度の見直し

運送業界は今後、トラックドライバーの勤務形態の特殊性を踏まえてより合理性の高い賃金体系の再構築が望まれます。

見掛けの賃金を高くするため、いたづらに「歩合給」の割合を引き上げる傾向がありますが、今後はドライバーのモチベーションを上げるためにも「固定給」とバランスの取れた賃金体系の見直しが急務です。

「固定残業制」や「歩合給」を偏重する賃金体系は、新規採用の大きな障害になっています。

運送業界の今後の見通し7:長時間労働の解消

運送業界の今後は、「長時間労働の削減」にはドライバー参加型の自主的な活動が重要な鍵を握っており、ドライバー自ら「ムダ・ムラ・ムリ」を排除する意識を持つことが重要です。

政府が主導す運送業者向け「働き方改革」のパンフレットは、労基法を遵守するための「紋きり型」の指導要綱です。運送業界に限らず、現場の担当者のやる気を引き出す自主活動でなければ、なにごとも思ったような成果が上がりません。

運送業界の今後の見通し8:ドライバーの健康管理

運送業界は今後、高齢者ドライバーの割合が高いことから、定期的な健康管理や日々の体調管理に関する取り組み強化が重要です。

特に長距離ドライバーは高齢者が多いことから定期検診の実施はもとより、今後は運行管理者が遠隔地で業務を行うドライバーの健康情報をリアルタイムに把握し、居眠り防止や体調不良による事故の未然防止を図るためにも積極的な支援が必要です。

運送業界の今後の見通し9:交通事故の減少

運送業界のドライバーが起こす交通事故の原因は、脇見運転・安全不確認・漫然運転などが上位を占めていますが、今後はドライバーの安全教育の充実や過労防止と合せて車両の点検整備も重要です。

運送業界における交通事故の発生件数は、一般道路の割合が82%と多くしかも大型トラックが60%以上を占めていることから、特に大型長距離トラックのドライバーの安全対策を講じる必要があります。

運送業界の今後の見通し10:IoTの活用

運送業界は今後、「IoT(Internet of Things)」を活用した業務効率の改善や生産効率の向上に対する積極的な資本投資が不可欠です。

IoTを活用したシステムは、基本的に物流管理を統合的に管理することを目的としたものであり、入出庫管理・仕分管理・配車管理などの業務の省人化や自動化が進み、間接業務のスリム化や人的ミスの防止によってコスト削減が可能となります。

運送業界で発生している問題3つ

運送会社の今後、急増する宅配サービスによる人手不足が喫緊の課題ですが、それ以外にも大きく「長時間労働」「過当競争」「不当な下請け運賃」の3つの問題が懸案事項となっています。

これらの問題解決を図るためには、荷主・運送業界・消費者を含めた複雑な利害関係を調整する必要があるため、行政機関と協調しながらを社会的な合意形成を目指す必要があります。

運送業界で発生している問題1:恒常的な長時間労働

トラックドライバーの労働時間は、1週間あたり平均210時間(残業34時間含む)となっていて、全産業の平均178時間を約30時間以上超過しているのが実態です。

トラックドライバーの長時間労働を裏付けるデータの1つに労災保険の支給件数がありますが、他産業との比較においても運送業の支給件数がダントツに多く、心身ともに苛酷な労働環境に晒されている実態が推測されます。

運送業界で発生している問題2:サービスの追及による過当競争

運送業界への新規参入の事業者数は2007(平成19)年以来徐々に減少傾向を辿っていますが、いまだに約6万者を越えているため仕事の取り合いなどで過当競争が継続しています。

運送業界では過当競争を背景とした運賃の値崩れが顕在化していますが、運送事業者の適正運賃の収受はタクシーやバスなどの事業者と異なり、下請け関係などを含めて複雑多岐にわたる利害関係があるため解決が容易ではありません。

運送業界で発生している問題3:下請けによる運賃の低下

運送業界の事業者の大部分は小~零細事業者によって占められていることから、末端の事業者によっては5~6次下請け業務で成り立っている場合あります。

どんな業種でも、元請け会社が一番儲けが高い仕事を取るのが世の常識です。つまり、下請け次数が下がるほど利益率のマージンが少なくなるため、零細事業者が美味しい仕事に巡り会うことは滅多にありません。

運送業界の今後の見通しを一通り把握しましょう

現状において、国内貨物取扱量の約90%以上をトラック輸送が担っていますので、今後も運送業界が社会インフラを支える重要な社会的的責任を担っていくことは間違いありません。

今年4月から施行された「働き方改革」によって、長い間懸案だったドライバーの長時間労働もやっと改善の兆しが見えました。今後は過剰競争・低運賃・再配達などの適正化に向けた運送業界の体質改善が望まれます。

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