タクシー業界の課題の現状・今後の課題・解決方法|人材不足
初回公開日:2018年6月6日
更新日:2019年10月29日
記事に記載されている内容は2018年6月6日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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タクシー業界の課題の現状
現在日本のタクシー業界は多種多様な課題が山積みであると言えます。タクシードライバーの内面や考え方に関する精神的な課題だけにとどまらず、タクシー業界の世間との関わり方に関する大きな課題も生まれてきています。またモンスタークレーマーが増えつづけているのも重要な課題と言えます。
いろいろなものが機械により自動化されている現代においても、人の手による仕事を続けているという意味ではタクシー業界は特殊であるといえます。人と接することが多いからこそ、コミュニケーションや接客の中で摩擦が生まれ、大きな課題になってしまっています。
課題解決の難しさ
これらのタクシー業界の課題は容易に解決できない可能性が高いです。日本においてタクシーの数は膨大であり、利用する人の数も膨大です。今後もタクシー利用が増えてくる可能性が高いため、早急な対応が必要になってきます。
業界全体の人材不足
タクシー業界が抱える課題の中でもっとも大きなものの一つが、人材不足です。タクシードライバーは運転ができれば誰でもできるという仕事ではありません。正確に目的地へのルートを検索する知識と、お客に不快感を与えないためのコミュニケーション能力が必要です。この二つを持ち合わせている人材が慢性的に不足しています。
人材不足は主に都心部の方が顕著に表れています。観光客や帰宅者など利用者も多く、特に金曜日の夜や災害時、交通機関の停止などが起こった時などは、かなりの人材不足に悩まされています。マイカーを持つ人が少なくなってきたからこそ、タクシーを利用する機会が増え、その結果人材不足を引き起こしてしまいます。
弊害
タクシー業界に人材不足の弊害は、主に出勤時や帰宅時に影響してきます。普段電車で通勤している人が多いですが、電車の故障やトラブルにより遅延が発生した場合、タクシーでの移動を選択する人も多いです。トラブル時にタクシー利用の需要は増え、多大な人材不足を引き起こしてしまいます。
タクシードライバーの高齢化
ドライバーの高齢化は、今後さらに悪化すると考えられるタクシー業界の課題の一つです。近年タクシー業界を志望する若者は減少傾向にあります。しかしタクシー自体の需要は増えているため、結果的にドライバーの平均年齢は年々上がってきています。
ドライバーの中には、前職から転職してドライバーになった人も多くいます。ドライバーは賃金も安定しており業界的にも廃れることがないので、安定を求めて転職する人も少なからず存在します。前職である程度経験を積んだ人が転職してドライバーになることもあるので、他の業種に比べ平均年齢は高い業界であるということができます。
弊害
タクシー業界のドライバー高齢化の弊害は、直接お客に影響してしまうことが多いです。高齢化による判断能力の低下や視力の低下は、そのままお客の安全性の低下につながってしまいます。またカーナビなど最新機器が導入されることに迅速な対応をしにくいという点も、ドライバー高齢化の弊害であると言えます。
激務だと誤解されやすい
街中を歩いていると、タクシーを停車し休憩しているドライバーを多く見かけます。そしてその多くは疲れ果てて眠っています。そういう状況を見ると、「タクシー業界は激務なのではないか」と認識してしまいます。実際にタクシーに乗車した時も、ドライバーが疲れた表情をしていることも少なくありません。
タクシーは常日頃目にする機会が多いので、その分疲れていたりする表情をみることが多いと言えます。実際はシフトなど会社に管理されていることも多く、激務にならないよう調整されています。
弊害
弊害は二つあります。ひとつはタクシー業界を志望する人材が不足することです。そしてもうひとつは、激務であることを下に見て暴言を吐いたり横柄な態度をとるモンスターカスタマーの存在です。このことで、ドライバーの人材不足という大きな課題につながってしまいます。
今後のタクシー業界の課題
今後のタクシー業界の課題に関しては、すでにある課題がさらに大きくなるものと、全く新しく生まれる課題の二つがあります。すでにある課題に関しては、都心部を中心にさらに大きくなると考えていいでしょう。現在新しく生まれている課題として、「白タク」と呼ばれる無許可タクシーが話題になっています。
大きな課題「白タク」
現在日本にあるタクシーはすべてタクシー協会に所属しており、賃金や活動範囲などルールが定められています。「白タク」とは白ナンバープレートのタクシーのことで、タクシーとしての許可を取らずお客を乗せているタクシーのことです。
白タクはタクシー協会に所属しているタクシーより安価な料金なので、白タクを利用する人が増えてきています。しかし本来白ナンバープレートは人を乗せて運ぶことはできずルール違反になります。また規定のタクシー待機場所に停車しなくてもいいので、それより前の路上に停車しお客を横取りすることも問題になっています。
タクシー業界の課題の解決方法
タクシー業界の課題は、迅速には難しいですがアイデアと努力で解決できる課題と言っていいでしょう。タクシー業界が大きなものであるからこそ、課題を乗り越えた先にはよりよい状況が待っています。またタクシー業界の課題の解決のためには、業界以外の人の協力も不可欠であることも忘れてはいけません。
短い距離でも乗りやすくする
タクシーではしばしば「短い距離では乗りにくい」という意見も述べられます。理由は値段が割高になってしまうということと、タクシーが頻繁に走っていない場所の場合タクシーを見つける手間が大きくなってしまうことが挙げられます。このことを解消することで需要を増やしタクシー業界を活性化することができます。
このことを解消するためには、タクシー業界全体のコミュニケーションを高め、「短い距離で乗る人が多い場所」を分析する必要があります。駅周辺は帰宅者などが多いので長距離利用のお客が多いと考えられます。
結果
タクシーを短い距離でものりやすくなると、タクシーの需要が増えるだけでなく、バスや電車などの公共交通機関の混雑を減らすことができる可能性があります。特に雪や大雨の日は電車内がとても混雑する傾向にありますが、数駅分の短い距離であればタクシーを使ってみるのもいい案だと言えるでしょう。
車内で飲料水を配布
タクシー業界は広告業界と密接に関係しています。そしてこの関係性こそがタクシー業界が抱える課題を解消してくれます。タクシーにはステッカーやチラシなどの広告がたくさん掲載されています。街中を走る以上、タクシーは優秀な広告塔であると言えます。そしてお客にも情報を与えることができ、タクシー業界と広告業界はウィンウィンの関係になっています。
車内で飲料水を配布するとどんな課題が解消されるでしょうか。まずお客の満足度は高まるり、タクシーの接客に対する課題を軽減することができる可能性があるうえに、飲料水を飲んだお客がリピーターになってくれる可能性があります。
結果
車内で飲料水を配布した結果、業界の慢性的な課題である給料の安さを解消できる可能性があります。飲料水を提供するスポンサーから広告料をもらうことで、それを業界全体に灌漑することもできます。
配車アプリの導入
配車アプリは多くの課題を解決してくれています。需要と供給の数があっていない場所や時間があるという課題も、アプリを通して配車することで解消し双方のストレスをなくすことに成功しています。また長距離のタクシーがつかまりにくいといった課題には、アプリを利用することでタクシーを予約することもできます。
配車アプリとタクシー協会が協力することで、ことなるタクシー会社を繋げることができます。その結果ドライバー同士の横の繋がりもでき情報の共有もできるので、仕事が孤独であるという課題も解消することができます。
結果
すべての人が配車アプリを登録すれば、タクシー業界が抱える課題は大幅に減少するとみていいでしょう。「乗りたいときにすぐ乗れる」というシンプルな希望が叶えばモンスターカスタマーも生まれなくなります。
自動運転車
自動運転車がタクシーに導入されれば、目的地へのルートの探索がより迅速に正確になるでしょう。また機械が相手であればモンスターカスタマーも出現しません。自動運転車とドライバーによる車を使い分けることでタクシー業界はより進歩するでしょう。
デメリット
デメリットとしては、細かな指示への対応が難しいことが挙げられます。ルートや目的地の変更など予想していない事態になったとき、自動運転車ではまだまだ迅速に対応できません。
タクシー業界の課題を解決した未来
タクシー業界が抱える課題がすべて解決された未来には、交通に関するストレスがゼロになっていることが想像できます。そしてその未来を目指すことができればどんな大きな課題でも一つずつ取り組んでいくことに大切さに気付くことができます。
タクシーに対する不満が出れば出るほど、未来への期待度も高くなると言えます。
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