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2018年10月03日

「敷居が高い」の意味と使い方・読み方・例文|ハードルが高い

「敷居が高い」という慣用句はよく使われる言葉ですが、誤用が多い言葉の筆頭に挙げられることも多いので、使い方に気をつける必要があります。この記事では「敷居が高い」の正しい意味や使い方を例文を挙げて詳しく解説しています。ぜひ読んでみてください。

「敷居が高い」の意味と使い方・読み方・例文|ハードルが高い

「敷居が高い」の意味と使い方

「敷居が高い」とは「相手に対して不義理や不面目なことがあるので、その人の家に行きにくいこと」を意味する慣用句です。日常的によく使われる言葉ですが、同時に誤用がとても多い言葉としても有名です。

この記事では「敷居が高い」の意味や正しい使い方などについて詳しく解説していきます。

「敷居が高い」の由来は?

「敷居が高い」の意味は上記のとおりですが、なぜ「敷居が高い」という言葉がそのような意味になるのかはあまり知られていません。誤用を防ぐためにも「敷居が高い」の由来を詳しく 理解しておきましょう。

「敷居が高い」の本来の意味は?

「敷居が高い」の「敷居」とは家の門の内と外との仕切りとして使う横木のことです。家の門だけでなく、部屋を仕切るために使う溝の付いた横木を指す場合もあります。かつては漢字で「閾」と書いており、「しきみ」と読んでいました。

「敷居が高い」とは家の門の横木が高くて家に入りづらいということであり、ここから転じて「不義理や不面目があって家に行きづらい」という意味の慣用句になりました。

「敷居」を使った慣用句は他にもあり「敷居を跨ぐ(またぐ)」という言葉もあります。意味は「家に入る、出入りする」です。「お前には二度と敷居を跨がせない」などの形で使います。

「敷居が高い」の読み方は?

「敷居が高い」は「しきいがたかい」と読みます。それほど難しい漢字が使われているわけではないので、読めないという人は少ないでしょう。

ただ、先に解説したとおり「敷居」には「閾」という漢字表記もあるので、ややこしく感じている人もいるでしょう。そこで、ここでは「しきい」という言葉で使われている漢字について詳しく解説します。

「閾」と「敷居」

先に解説しましたが、「敷居」という言葉は元々は「閾」という漢字で書かれていました。「閾」は音読みで「いき」訓読みで「いきみ」などと読みます。現在では「内と外の境界」という意味で使われていますが、元々の意味は「家の敷居」でした。

「敷居が高い」の「敷」という漢字は音読みで「ふ」、訓読みで「しく」「しき」「じき」などと読みます。意味は「広げる、しく」です。「居」は音読みで「きょ」、訓読みで「い」「いる」「おる」などと読みます。意味は「住む所」です。

「しく」を意味する「敷」と「住む所」を意味する「居」という漢字が「しきい」という言葉に当てられて「敷居」という言葉になり、現代では「閾」でなく、「敷居」という漢字が一般的になりました。

「敷居が高い」の誤用のされ方

最初に少しだけ触れましたが、「敷居が高い」は、とにかく誤用が多い言葉として有名です。むしろ誤用のほうが世間に浸透していると言っても言い過ぎではありません。

ここでは「敷居が高い」の誤用のされ方と正しい使い方について詳しく解説します。

「敷居が高い」は「高級だから入りにくい」?

次の3つの例文のうち、「敷居が高い」が正しく使われているのは1つだけです。どれが正しい例文か考えてみましょう。

・あそこのレストランは値段が高すぎるから、僕には敷居が高いよ。
・今日親戚の家にお邪魔することになったが、ずいぶん長いこと顔を見せていないので、敷居が高く感じる。
・次回の期末テストで80点以上の点数を取るように親に言われたけど、私には敷居が高いわ。

正解は2番目です。「不義理があって行きづらい」という本来の意味で使われています。

1番目の例文は典型的な誤用です。「レストランが高級だから入りにくい」という意味で使われていますが、「敷居が高い」にそのような意味はありません。2番目の例文も誤用です。「自分の実力では難しい、レベルが高い」という意味で使われていますが、間違いです。

どちらの間違いもそのように解釈できなくもないので気持ちは分かりますが、あくまで誤用です。注意しましょう。

他にもある誤用の多い言葉

誤用が多い言葉は「敷居が高い」だけではありません。他にも日常的に使われているにもかかわらず、誤用されている言葉が数多くあります。ここでは「敷居が高い」と同じく、誤用が多い言葉を取り上げて解説します。

「ぞっとしない」は「恐ろしくない」?

最初に取り上げるのは「ぞっとしない」という言葉です。次の2つの例文のうち、正しいのは1つです。

・怖いと評判のお化け屋敷に入ったが、ぞっとしなかった。
・世間で評価の高い映画を観たが、ぞっとしない内容だった。

正解は2番目です。1番目の例文は「恐ろしくない」という意味で使われていますが、「ぞっとしない」の正しい意味は「おもしろくない、感心しない」です。ここでの「ぞっと」は「恐怖で体が震える」という意味ではなく、「感動で体が震える」という意味です。

「憮然としている」は「怒っている」?

次に取り上げるのは「憮然(ぶぜん)」という言葉です。2つの例文のうち、1つが正解です。どちらが正しいか考えてみましょう。

・度重なる不幸に見舞われた彼は、どうしてよいか分からず、憮然としてため息をついた。
・相手の失礼な態度に彼女は憮然として怒鳴り散らした。

正解は1番目です。2番目の例文は「怒っている」という意味で使われていますが、「憮然」の正しい意味は「失望してどうすることもできずにいるさま」です。「憮」という漢字の意味は「失望する、がっかりする」です。

「破天荒」は「豪快なこと」?

最後に取り上げるのは「破天荒(はてんこう)」です。2つの例文のうち、正しいのは1つです。どちらが正しいか考えてみましょう。

・彼の言動はいつもめちゃくちゃで破天荒そのものだ。
・彼女が発表した論文は前例のない破天荒な内容だ。

正解は2番目です。1番目の例文は「豪快なこと」という意味で使われていますが、「破天荒」の意味は「だれもなし得なかったことをすること」です。これも字面から誤用の意味に解釈できなくもないので無理もありませんが、間違いなので気をつけましょう。

「敷居が高い」を使った例文を見てみよう

先に解説したとおり「敷居が高い」は誤用の多い言葉です。正しく使うために「敷居が高い」の例文を実際に見てみましょう。

そもそもそれほど使う機会がない言葉

「敷居が高い」の正しい意味は「不義理があって行きづらい」であり、誤用の「高級で行きづらい」「レベルが高い」と比べて、それほど使う機会がない言葉です。その点に注意すれば、そうそう間違えることはありません。例文を見てみましょう。

・両親と大げんかをして家を飛び出してしまったので、帰省は敷居が高い。
・友人に借金をしており、いまだに返していないので、遊びに行くのは敷居が高い。

どちらの例文も「不義理があって行きづらい」という意味であり、正しい使い方です。

文学での使用例

「敷居が高い」は小説などの文学作品でも使われています。引用する作品は林不忘(はやしふぼう)、牧逸馬(まき いつま)などの筆名で知られる小説家、長谷川海太郎(かいたろう)の時代小説「丹下左膳」です。

登場人部のせりふに「敷居が高い」という言葉があり、その後に「御無沙汰」という言葉が続きます。ここから「長い間、顔を見せていないので家に入りづらい」という正しい意味で使われていることが分かります。

隣では子供が遊戯にふけっている。 と、がらりと格子があいて、ひさしぶりに天下の乞食先生蒲生泰軒のだみ声だ。「わっはっはっはっは! こりゃ、敷居が高い、御無沙汰、御無沙汰!」 びっくりはね起きたお艶の頬にたたみのあとが赤くついていた。林不忘「丹下左膳 乾雲坤竜の巻」

出典: https://www.aozora.gr.jp/cards/000290/files/24376_19396.html |

「敷居が高い」の類語は?

「敷居が高い」にはいくつか類語があります。「敷居が高い」は誤用が多い言葉なので、状況によっては他の言葉に言い換えて誤解を招かないようにしたほうが良いでしょう。

ここでは「敷居が高い」の類語を取り上げて解説します。

門を塞ぐ

「門を塞ぐ(かどをふさぐ)」とは「不義理があってその人の家に行きづらい、恥ずかしい」という意味です。「敷居が高い」とほぼ同じ意味ですが、現代ではあまり使われない慣用句です。「もんをふさぐ」と読んでしまいそうですが、読み方は「かどをふさぐ」です。

「門」の慣用句は他にも「門広し(一族が多くなる)」「門を出る(家を出る、出家する)」などがあります。ここでの「門」の読み方は全て「かど」です。間違えないようにしましょう。

頭が上がらない

「頭が上がらない」とは「相手の権威などに引け目を感じていること、対等な立場に立てないこと」を意味する言葉です。「引け目を感じる」という点は「敷居が高い」と通じますが、その理由は不義理ではなく、相手のとの力関係である点が違います。

似た意味の慣用句に「頭が下がる」があります。「頭が下がる」の意味は「敬服する、感服する」です。「頭が上がらない」と一見意味が似ていますが、相手への尊敬の念がある点が違います。使い分けに注意しましょう。

萎縮する

「萎縮(いしゅく)」とは「しぼむこと、小さく縮こまること」を意味する言葉です。本来は「あまりの寒さに手が萎縮する」のように具体的な物が小さくなるさまを表す言葉ですが、「敷居が高い」の類語としては別の使い方をします。

「萎縮」には「相手の怒声に萎縮してしまう」のように物だけでなく、心や気持ちが小さくなって、元気が失くなってしまうという意味でも使います。緊張や恐怖などで気持ちが小さくなってしまっている状態を指す言葉としてよく使われます。

「敷居が高い」に反対語はある?

「敷居が高い」の意味と使い方・読み方・例文|ハードルが高い

「敷居が高い」に明確に対応する反対語はありません。ただし、それらしい意味を持つ言葉はいくつか挙げられます。ここではそれらの言葉を取り上げて解説します。

垣根が低い

「垣根」の本来の意味は「家などの建物の周囲を囲う仕切り」ですが、例えとして「他との間を隔てるもの」を指す言葉としても使います。

「彼女との心の垣根が低くなった」などの形で、主に人と人の心を隔てるものを「垣根」という言葉で表し、それが低くなった、すなわち心と心を隔てるものが失くなって距離が縮まった、という意味で使われます。

襟を開く

「襟を開く(えりをひらく)」とは「隠し立てをせずに全てを打ち明ける」という意味です。「胸襟を開く(きょうきんをひらく)」とも言います。「襟を開いて話し合う」などの形でよく使われます。

気安い仲

「気安い」とは「遠慮する必要がない、気楽」という意味の言葉です。「あの人とは気安い仲だ」「彼は気安く何でも頼める」などの形で、人間関係の気楽さ、仲の良さを表す際によく使われる言葉です。

「気安い」の類語に「気が置けない」という慣用句があります。意味は「気安い」と同じですが、しばしば全く逆の意味で使われることがあります。「あの人は気が置けない」という言葉を「遠慮しなくてはならない」という意味だと考えている人がかなりいます。

「気が置けない」の「置けない」は「気を使う必要がない」という意味です。「気安い」と全く同じ意味の言葉なので、間違えないようにしましょう。

「敷居が低い」という言葉はある?

「敷居が低い」とは「気楽にできる、手軽である」という意味の慣用句として使われていますが、正確には「敷居が高い」の誤用から派生した言葉です。

「敷居が高い」が誤用である「高級だ」「レベルが高い」の意味で広く使われるようになり、「高い」を反対語である「低い」に言い換えることで反対語として使われるようになったと考えられています。

本来は「敷居が低い」という言葉はありませんが、広く使われている言葉でもあるため、一概に誤用とも言い切れないのが難しいところです。

「敷居が高い」と「ハードルが高い」は何が違う?

「敷居が高い」と似た慣用句に「ハードルが高い」という言葉があります。「敷居が高い」という言葉と同じく、広く使われている言葉ですが、「敷居が高い」とは意味が違うので、使い分けが必要です。

ここでは「敷居が高い」と「ハードルが高い」の意味の違いについて詳しく解説します。

「敷居が高い」の誤用は「ハードルが高い」

「ハードルが高い」とは「敷居が高い」の誤用である「レベルが高い」「高級すぎる」という用法と同じ意味を持つ言葉です。「ハードルが高い」を「レベルが高い」という意味で使うことは誤用ではありません。先ほどの「敷居が高い」の例文を「ハードルが高い」で言い換えてみましょう。

・あそこのレストランは値段が高すぎるから、僕にはハードルが高いよ。
・次回の期末テストで80点以上の点数を取るように親に言われたけど、私にはハードルが高いわ。

このように「敷居が高い」の誤用を「ハードルが高い」と言い換えれば、意味の通った正しい文章になります。「敷居が高い」の誤用を防ぐためにも「ハードルが高い」の意味をしっかりと覚えておきましょう。

日常会話程度であれば誤用しても大丈夫

この記事で解説した「敷居が高い」という言葉は誤用が多い言葉なので、正しく使えるように記事ではその点を詳しく解説しました。しかし、一方で「敷居が高い」を「レベルが高い」という意味で使うことは誤用とは言い切れない面もあります。

現在では日常会話だけでなく、マスメディアや本の中でも「敷居が高い」を誤用しているケースが見られます。むしろ誤用のほうが広まってしまっているのが現状です。このような状況で正しい意味にこだわって使っていると返って誤解を招きかねません。

大事なのはケースバイケースで言葉を使い分けることです。公の場や実用文などでは気をつけたいところですが、日常会話程度であれば「敷居が高い」を誤用したとしても大した問題はありません。誤用に目くじらを立てずに、気楽に言葉と接していきましょう。

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