トラック運転手が知っておきたい残業代についての基礎知識3つ|危険性4つ
初回公開日:2019年9月2日
更新日:2019年9月2日
記事に記載されている内容は2019年9月2日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。
トラック運転手が残業をする理由
トラック運転手は道路の渋滞や荷物の滞りに対処しているうちに自然に残業をするはめになるケースが多いです。
トラック運転手は残業代が欲しくて残業をしているわけではありません。荷物の仕分けや運搬、顧客の受け取り状態によって毎日の労働時間が自然に長くなってしまうからです。
最近はトラック運転手の人手不足が増えているため、残業をするはめに陥ってしまうドライバーが多くいるため問題になっています。
トラック運転手の平均残業代
トラック運転手の平均残業代は1か月5万円前後です。
同じトラック運転手でも会社や運ぶ内容によって残業代は違います。条件によっては残業しても残業代が出ない場合がありますが、だいたいがこの金額程度が残業代として報告されています。
トラック運転手が知っておきたい残業代についての基礎知識3つ
トラック運転手の残業代は難しいケースが多々あるので、トラック運転手が知っておきたい残業代についての基礎知識3つをご紹介していきます。
トラック運転手は道路事情や届け先の顧客の状態などにより労働時間が一定していないので残業代を計算するのがとても難しい職業です。
トラック運転手の会社によっては残業代を支払うケースがまちまちなので、入社のときによく確かめておくことが必要です。正しい知識を覚えておきましょう。
残業代についての基礎知識1:歩合制でも残業代は支払われる
トラック運転手は歩合給制の場合、残業の給与が出る仕組みになっています。
出来高払制・インセンティブ給制・請負給制などと呼ばれる、出来高に応じて給与の金額が変わる歩合制の給与体系のトラック運転手は残業代が出ます。
歩合給制は成果によって給与が変動するので残業代が出ないと誤解されがちですが、計算方法が異なるだけで残業代は発生しますのでしっかり請求するようにしてください。
残業代についての基礎知識2:荷待ち時間も労働時間に含まれる
トラック運転手が荷物を積み下ろすときに待機している時間も残業代として請求できます。
荷待ち時間は荷主の都合によって発生するので労働時間に含まれます。残業代が払われないとたいへんな時間のロスなので、しっかり請求しましょう。
トラック運転手が荷積み・荷下ろしといった実作業に従事していない時間である待機時間・手待ち時間であったとしても、残業代が支払われる労働時間に含まれると覚えておきましょう。
残業代についての基礎知識3:みなし残業時間を超えた際の残業代が請求できる場合もある
トラック運転手の仕事は長時間労働になりやすいので給料に一定時間分のみなし残業代が含まれているケースがよくあります。しかしみなし残業時間を超えた残業代も請求できる覚えておきましょう。
みなし残業とは、賃金や手当ての中にあらかじめ一定時間分の残業代を組み込んで支払われる制度のことです。固定残業制度とも呼ばれています。
みなし残業以下の残業労働時間になるケースもあります。
トラック運転手が残業代を計算する方法
残業代が出ない・少ないというトラック運転手の悩みを解消するために残業代を計算する方法を覚えておきましょう。
残業代が出ないとあきらめずに、支払われていない残業代を会社に請求する方向へ考えを移行していきましょう。正しい残業代請求を成功させるために、正しい行動方法と計算方法を知っておくことがとても大切です。
それでは、トラック運転手が残業代を計算する方法を見ていきましょう。
固定給の残業代計算方法
トラック運転手の残業代の基本的な計算方法は1時間あたりの賃金×残業時間×割増率(1.25%)です。1時間あたりの賃金は基準賃金÷月平均所定労働時間になります。
固定給の残業代計算方法は、月給を時給に換算して割増賃金率をかけることで計算できます。基本的な割増賃金率は、法定労働時間を超える場合・深夜残業をした場合は1.25倍で、休日出勤をした場合は1.35倍になります。
歩合制の残業代計算方法
歩合給制を導入している会社のトラック運転手の残業代は、残業代=1時間あたりの賃金×残業時間×割増率(0.25%)の計算方法になります。1時間あたりの賃金は歩合給÷総労働時間です。
歩合給の残業代の割増率は固定給のような1.25%ではなく、0.25%になるので気をつけてください。1時間あたりの賃金を計算する際は、残業時間を含めた総労働時間数で歩合給額を割るので、その点も注意してください。
固定給と歩合給を組み合わせた給与の残業代計算方法
固定給と歩合給がセットになっている給料計算をする会社のトラック運転手の残業代は、分けて計算するので気をつけましょう。
トラック運転手の深夜労働の残業代はさらに25%以上の割増料金になるので注意してください。ちなみに休日労働は35%以上の割増料金になります。
固定給と歩合給のそれぞれの1時間あたりの基準となる賃金の金額を出してから、残業時間と割増率をかけ算して合算することで、正しい残業代が計算できます。
トラック運転手が残業をすることによる危険性4つ
トラック運転手が残業代が発生する長時間労働を続け過ぎた場合は、過労から運転中に注意力が散漫になり事故の危険性が高まります。
残業代が多いことは給料面ではよろこばしいことですが、ハンドルを握るトラック運転手自身や他人の生命に対して大きなリスクが伴います。最悪の場合は過労死などの心身の衰えにも繋がりますので、トラック運転手の残業のやり過ぎには注意が必要です。
残業をすることによる危険性1:睡眠不足となり居眠り運転に繋がる
残業をやり過ぎるトラック運転手は居眠り運転の危険性があります。
トラック運転手が残業をし過ぎると睡眠不足に陥り、事故を起こす危険性が高まります。トラック運転手自身だけでなく、他人や物への被害がひろがる可能性があるため、社会的にも迷惑をかけることになります。
トラック運転手は残業のやり過ぎによる居眠り運転に気をつけましょう。疲れたり眠くなったりしたら、すぐに仮眠や休憩・休養を取るようにしてください。
残業をすることによる危険性2:業務を早く終わらせようと焦ってスピード違反
トラックの運転手は早朝から深夜まで長時間運転をすることが多く道路も混み合います。残業が続いたときなどは仕事を早く終了させようとついついスピードを出し過ぎるときがあります。
トラック運転手の仕事は時間の予測が出来づらいため、なるべく残業に掛からないように速く帰ろうとしてスピード違反をしてしまうときがあります。逮捕されれば業務そのものに影響がありますし事故に繋がる可能性があります。気をつけましょう。
残業をすることによる危険性3:長時間労働のストレスから脇見運転
残業が続きトラック運転手の長時間労働が続くと注意が散漫になり脇見運転などの可能性が出てくるので気をつけましょう。
厚生労働省が定めたルールではトラック運転手の連続運転可能時間は4時間が限度とされています。頭の中がクリアでないと注意深い運転はできません。途中で休憩を入れるなどの工夫が必要です。
残業が続くストレスから病気に掛かる可能性もあります。気をつけましょう。
残業をすることによる危険性4:精神状態の悪化に繋がる
残業が続くと心身ともに疲れ切り、トラック運転手の精神状態の悪化が加速する恐れがあるので気をつけましょう。
特に残業代が支払われないケースなどではトラック運転手に多大なストレスが発生します。身体の疲れが精神状態の悪化を呼び、過労死などの最悪のケースにいたる場合もあります。
本来もらえる残業代を把握しましょう
トラック運転手は本来もらえる残業代をしっかりと把握して仕事に反映していきましょう。
労働基準法でトラック運転手の残業代はしっかりと保護されています。みなし残業以上の労働時間や荷待ち時間も残業代として計上できるので、就職の際には特に注意してチェックしていきましょう。
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