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バスの非常口の位置の規定・開け方|右側/天井/外から/海外

バスの非常口の位置の規定・開け方|右側/天井/外から/海外
バスは公共の乗り物なので非常口が付いていますが、その位置や取り付けには規定があります。またバスの非常口があるのを知っているけど開け方を知らない方も多いのではないでしょうか。そこでバスの非常口の正しい開け方とバスの非常口の位置について解説します。

初回公開日:2018年7月13日

更新日:2020年1月29日

記事に記載されている内容は2018年7月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。


バスの非常口の位置の規定

非常口は建物だけでなく飛行機などの乗り物にも非常口の設置が義務付けられています。身近な乗り物では、バスにも非常口の設置が義務付けされており、国内ではその設置方法も細かく規定があります。

バスは不特定多数の人が乗り降りする乗り合いバスと、観光地を巡ったり、団体で貸し切って運行する貸切バスとに分かれますが、どちらのバスも非常口の位置の規定は同じとなっています。そこでバスの非常口にはどのような規定があるのかをご紹介します。

右側

国内を走るバスには非常口が設置されていますが、大型バスも小型バスも全て右後ろに非常口が設置されています。(一部マイクロバス除く)非常口は30人以上の定員のバスと、幼児専用車は非常口の設置義務があります。

保安基準では、バスの後方右側に設けるようになっており、非常口の大きさも幅が400mm以上、高さが1,200mm以上で、自動で閉まらない外側に開くドアと決められています。また非常ドアは、鍵や特別な道具を用いなくても、車内から開ける事ができなければないりません。

右側後部に非常口が設置される理由は、日本のバスの乗降口が左側にあることから万が一の事故で横転した時に、乗降口が塞がっても右側に非常口があればそこから脱出できるからです。

天井

天井に非常口のあるバスは、欧米などに行くと見かける事があります。最近は輸入された外国製のバスには日本国内でも天井に非常口の付いたバスを見かける事があります。また一部のバスでは屋根に非常口を設けるオプション設定もあります。

海外のバスで天井に非常口が設置されているのは、バスが横転した時のことを考えて取り付けられています。日本国内の右側後部の非常口も、左側に横転した時に右後部の非常口から脱出し、右側横転であれば左側の乗降口から脱出します。

天井に非常口があるバスのデメリットは、追突などで横転を免れたバスの場合、フロントのドアが衝撃で押しつぶされて赤ない場合、天井の非常口からは高さがあり過ぎて脱出できない点です。そのため最近の海外製のバスは、窓を大きくし座席ごとに緊急脱出用ハンマーを備えており、いざというときはハンマーで窓ガラスを割って外に出ます。

2階建てバスの非常口

観光バスには2階建てバスがありますが、2階建てバスにも非常口をそれぞれの階に備える規定があります。

2階に非常口を設置する場合は、1階部分の非常口と乗降口の真上に設置してはいけない事になっています。また非常口の大きさも1階部分と同じく幅が400mm以上、高さが1,200mm以上と規定されています。また2階部分から簡単に下りられるハシゴを常備しています。

バスの非常口は外から開くのか

バスの非常口のドアは外側にもあります。バス右後方の側面を見てみると、透明のクリアケースの中に入った赤いレバーを見ることができます。

透明のクリアケースの板は外から簡単に割ることができるので、バスが緊急時に外から非常ドアを開ける必要がある時には、クリアケースを割りレバーを操作してドアを開けます。

この他乗降口にも非常用コックが外にあるので、それを操作すればドアは手で開けることができます。

バスの非常ベル

バス車内には非常口が右後方にありますが、非常口のレバーには赤いカバーがしてあります。そこには「非常の場合は、このカバーを上部に引き中のハンドルを横に回してドアを開け座席を前に倒してください」とあります。その赤いカバーを開けると非常ベルが鳴る仕組みになっています。

この非常ベルとカバーの連動は、保安基準で設置が義務着けられていますが、警報の種類や仕様はメーカーにより異なります。

非常ベルはかなりの大音量で車内に鳴り響きますから、車内に異常があり乗客が非常ドアを操作すれば運転手がわかるようになっています。

海外でのバスの非常口の規定

海外のバスにも非常口は設置されています。しかしその多くの外国製のバスは天井に非常口が設置遅されています。

天井に非常口が設置されている理由は横転時に緊急脱出がしやすい事が挙げられていますが、実はもう一つ我が国日本には無い諸外国の事情があります。日本のように右後ろなどバスの側面に非常口があると、窃盗団がバス車内に簡単に入り込み金品を盗むことができます。その予防として天井に非常口を作り盗難防止としています。

天井に非常口があればバスの天井に登る必要があるので、安易にバス車内に入り込むことができない事から天井への非常口設置が行われています。

しかし近年は、非常口は作らず、窓ガラスを座席に装備された専用ハンマーで割って脱出する方式に非常口は変わっています。

韓国

韓国では2016年10月に高速道路で10人が死亡、7人が負傷する重大事故が発生しました。この時に乗客が逃げられなかった理由は、バスの扉が分離帯にぶつかった衝撃でふさがれて出られなかったことが原因となっています。

ここで日本のように反対側に非常口があれば、おそらく死亡者は出なかったでしょう。韓国のバスには非常口がないので今回のような悲惨な事故を招いたといえます。

このような緊急時に、専用のハンマーでも持っていなければ、バスの窓を割る事は到底難しいでしょう。よくその国の事情を考えてバスに乗車する必要があります。

台湾

台湾では2016年7月に高速道路を走っていたバスが事故を起こした後炎上し、バスに乗っていた26名全員が死亡する悲惨な事故がありました。

台湾は比較的治安が良いとされている国ですが、日本と比べると観光客を狙ったスリやひったくりがあるので、治安は日本より良いとは言えません。

そんな事情が今回の事故には深く関わっています。通常、非常口は外からカギや特殊な工具を使わずに開けることができなければ非常口としての役目は果たせません。

台湾では観光客を乗せたバスが観光地でお客さんを降ろしている際に窃盗団にバス車内に入られる事件が多発しているので非常口にロックを掛けています。このロックを掛けているバスは台湾を走っているバスの90%以上に上ります。

この事故は窃盗事件を懸念するあまり人命を軽視した本末転倒の事件と言えるでしょう。

バスの非常口の開け方

バスに乗っている時に、もしもの事態を想定して乗っている方は少ないでしょう。しかしいつ事故に巻き込まれるかわからないので、バスに乗ったら非常口の確認をしておきましょう。

バスの非常口を車内から開ける方法は非常に簡単です。非常口には必ず赤い箱が設置してあり、その箱には中に非常口を開けるレバーがある事と、開け方が明記されています。しかし緊急時にそこに書いてある文章を読む余裕がない方がほとんどでしょう。そこで非常口の開け方を説明します。

非常口の近くには赤い箱があるので、上に引き上げます。すると非常ベルが車内に鳴り響き驚きますが、緊急時なのですぐに中にある赤いレバーを倒してドアを外に開けます。ドアの開け方はこれだけですが、このままでは足元が座席に邪魔されて非常口から出れません。そこで非常口の前にある椅子を前方に倒すと折れ曲がり、非常口の通路が確保されます。

ローカル路線バス

町でよく見かける路線バスですが、路線バスにも後方右側に非常口が取り付けられています。非常口のハンドルは、赤い箱の中に設置されていますが、その箱は上に簡単に引き上げることができます。

走行中に間違って外すことが無いように注意しましょう。もし外してしまうと大音量で車内に非常ベルが鳴り響き他のお客さんの迷惑となりますから気を付けましょう。

観光バスや高速バス

乗客を30名以上乗せて走るバスには非常口の設置が義務付けられていますので、バスの後方右側を確認しましょう。ほとんどの高速バスや観光バスでは、非常口の前にある座席を跳ね上げるか、ドアを開けて押し出して避難するようになっています。

高速バスや夜行バスを利用される方は、乗車の際に非常口の位置の確認をしておきましょう。また、安易に触り非常ベルが鳴ってしまうと、バスを安全な場所に止めて非常ベルの解除を乗務員が行う必要があり、緊急事態以外では運行の妨げとなり他の乗客の迷惑となりますから気を付けましょう。

バス非常口以外のドアの開け方

バスには非常口が備え付けられていますが、万が一非常口が使えない事故の場合は、乗降口から脱出する事になります。

その場合運転手に意識があり運転手が操作できれば良いですが、そうでない場合は乗客の方がドアを開けなければなりません。バスのドアは、圧縮エアーの力で開け閉めをしているので、そのバルブを開放すると手動でドアを簡単に開けることができます。

ドアの圧縮エアーを開放するバルブは、乗降口のステップに非常用コックとかかれた扉があるので、そこを開けると中にバルブがあります。あとはそのバルブを操作してエアーを抜き切ればドアは手で軽く動くようになります。

バスの避難訓練

バスは不特定多数の方を大勢輸送する交通手段なので、万が一の時のために避難訓練の実施を行っています。

避難訓練は乗っているお客さんと一緒に行うことができないので、現場での緊急時にいかに統率の取れた避難誘導ができるかがカギになります。各バス会社の訓練と努力により、万が一の時にも安全に避難ができますが、乗客として乗る際にも非常口の確認を忘れないようにしましょう。

バスに乗ったら非常口の確認をしましょう

普段何気なく乗っていいるバスですが、30人以上の定員のバスには種類を問わず非常ドアの設置が保安基準で義務着けられていることがわかりました。

特に観光バスでは2階建てバスなどを使用しており、国産のバスとは操作方法が少し違ってきます。非常口の設置位置と正しい開け方を理解しておけば、万が一の時にも安心です。

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