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雇い止めとは何か・目安・理由・通知書・判例|法理/5年/派遣

雇い止めとは何か・目安・理由・通知書・判例|法理/5年/派遣

最近雇い止めという言葉を新聞やテレビで目にすることが多いですが、皆さんは雇い止めをご存知でしょうか。期間を定めて雇用されている有期雇用の方は確認が必要な言葉です。雇い止めとは何か詳しく説明しますので、聞いたことがない方はチェックしましょう。

初回公開日:2018年09月13日

更新日:2018年09月13日

記事に記載されている内容は2018年09月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。


雇い止めとは何か

最近ニュースで雇い止めをいう言葉を頻繁に耳にしますが、みなさんは雇い止めをご存知でしょうか。雇い止めとは、契約社員や派遣社員など期間が定められている有期雇用の従業員について契約を更新せずに、契約を満了させることをいいます。

非正規社員の増加とトラブル

日本はかつて終身雇用の制度が定着し、労働者は正社員で一生同じ会社で勤めるというのが一般的でした。しかしバブル経済の崩壊後、派遣労働を代表とする雇用期間が定められた有期雇用の非正規雇用で職に就く人が増え、約4割を占めています。

リーマンショック時、非正規雇用者が派遣切りや雇い止めなどで雇用が打ち切られたのは記憶に新しい事です。企業にとって、有期雇用者は今やなくせない存在ですし、4割を占める非正規雇用者の安定は日本社会の安定にとって必要な事項です。

何回も問題なく更新していたのに、急に更新をされなくなったら有期雇用者の雇用は不安定なものになってしまいます。そういった背景から2013年改正労働契約法が施行されました。雇い止めが法定化された改正労働法を説明しながら、雇い止めを解説します。

改正労働契約法

非正規雇用が約4割を占める現在、労働者保護の視点から2013年労働契約法が改正となりました。改正のポイントは、無期労働契約への転換、雇い止め法理の法定化、不合理な労働条件の禁止です。

特に同一使用者との間で、有期契約雇用が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申し込みにより無期労働契約へ転換ができるようになりました。

平成25年4月1日の施行ですので、平成30年4月1日以降要件を満たせば無期労働契約への転換の申し込みができるようになります。ただし、正社員になるわけではなく、期間の定めがなくなるだけで労働条件が同一になるわけではありません。

この無期労働への転換によって、かえって有期労働者の雇い止めが横行するのではないかという懸念もあります。次に雇い止めはどういうものなのか解説します。

雇い止めとは?

雇い止めとは、契約社員や派遣社員など期間が定められている有期雇用の従業員について契約を更新せずに、契約を満了させることをいいます。雇い止めは違法ではありませんが、雇い止めをするためにはある条件を満たす必要があります。その条件は雇い止めの法理とよばれています。

雇い止めの法理:改正労働契約法19条

雇い止めの法理とは、過去の最高裁判例により一定の場合に雇い止めを無効とする確立された判定上のルールのことです。雇い止めをする場合に客観的合理的理由と社会通念上相当であると認められることが必要となります。

第十九条 有期労働契約であって次の各号のいずれかに該当するものの契約期間が満了する日までの間に労働者が当該有期労働契約の更新の申込みをした場合又は当該契約期間の満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合であって、使用者が当該申込みを拒絶することが、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、使用者は、従前の有期労働契約の内容である労働条件と同一の労働条件で当該申込みを承諾したものとみなす。
一 当該有期労働契約が過去に反復して更新されたことがあるものであって、その契約期間の満了時に当該有期労働契約を更新しないことにより当該有期労働契約を終了させることが、期間の定めのない労働契約を締結している労働者に解雇の意思表示をすることにより当該期間の定めのない労働契約を終了させることと社会通念上同視できると認められること。
二 当該労働者において当該有期労働契約の契約期間の満了時に当該有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があるものであると認められること。
(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)

出典: http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/... |

雇い止めの目安

では雇い止めの目安はどのようなものでしょうか。雇い止めの対象となる有期労働契約をご紹介します。

・有期労働契約が3回以上契約更新されている場合
・1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合
・1年以下の契約期間の労働契約が更新もしくは反復更新され、最初に労働契約を締結してから継続して通算して1年を超える場合

以上が雇い止めの目安です。毎年冬場の一定時期お歳暮の売り場で働いているなどは、いくら反復で繰り返しても雇い止めの対象にはなりませんのでご注意ください。

5年で雇い止め?(無期労働への転換ルール)

労働契約法の改正で、同一使用者との間で有期契約雇用が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申し込みにより無期労働契約へ転換が可能になることは先に触れました。企業が無期労働契約への転換をさせないために、雇い止めを行うことが増えてくると予想されます。

先に触れましたが雇い止めについては、客観的合理的理由と社会通念上相当であると認められなければ違法ということになります。万が一、雇い止めを通知された場合も焦らずに、自分のケースが該当するかどうか確認をし、不当と感じれば再度確認をしましょう。

雇い止めの理由

雇い止めの法理の章で、雇い止めには合理的客観的理由、社会通念上相当である理由が必要となると説明しましたが、具体的にどのようなものか例をあげて説明します。また、直接雇用ではない派遣社員の場合はどうなるのでしょうか。併せて説明します。

雇い止めの理由:会社都合

雇い止めの理由となるものとして以下のようなものがあります。

・前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
・担当していた業務の終了・中止のため
・事業縮小のため
・業務遂行能力が十分でないと認められるため
・職務命令違反や無断欠勤など勤務不良のため

合理的客観的、社会通念上相当であること

雇い止めの理由は、合理的客観的かつ社会通念上相当であることが必要になります。

例えば、たった1回の無断欠勤では上記の勤務不良の理由には該当しません。職務遂行能力が不十分という理由についても、いままで問題なく契約を更新していたのにある日突然、事前の指導もなく能力が足りないため更新しないというのは当てはまりません。

遅刻や勤務態度について、何度か本人に注意を行ったが態度が改まらなかったなど、合理的客観的な理由が必要です。では派遣社員の場合はどうなるのでしょうか。次の項で説明します。

派遣労働者の場合

改正労働契約法は派遣労働者にも適用されます。ただし、派遣社員が雇用契約を結んでいるのは派遣会社とで、派遣先ではありません。派遣労働者の場合は、派遣会社(派遣元)の雇い止めと派遣先の雇い止めの2つがあります。

派遣会社の雇い止めは、上記で説明したように雇い止めの要件に該当しても、派遣会社から相当な理由がない雇い止めはできません。派遣先の雇い止めは同一場所・同一事業所単位への派遣を労働者派遣法で3年に制限されることを示します。

2つのケースについて詳しく説明します。

3年ルール(派遣先企業)

2015年に改正された労働者派遣法によっていわゆる3年ルールというものが変更されました。派遣社員が同一の派遣先事業所の同一の組織単位で派遣就労できるのは3年が限度となりました。例外は60歳以上の派遣社員と派遣元で無期雇用されている派遣社員です。

もし、3年を超えて企業が派遣社員を雇うのであれば、他の派遣社員へ変更するか同じ派遣社員であればその企業で直接雇用をすることが必要になります。

直接雇用の申し込みがない場合

雇用の直接申し込みがされなかった派遣社員はどうなるのでしょうか。派遣社員は、その企業で続けて働くことができなくなります。その場合、派遣会社は以下のような対応をすることになります。

・派遣会社に別の派遣先を探してもらう
・派遣会社で無期雇用にされて働く
・その他の安定した雇用の継続を図るため必要な措置を受ける(有給で教育訓練など)

派遣契約が3年を超える場合は、派遣先と派遣会社が3年を超えて雇用するか、確認をすることになります。もし、企業が更新しない場合は派遣会社の担当者と相談しましょう。

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派遣会社の雇い止め

同じ派遣元企業は雇用者になりますので、雇い止めの目安に該当する場合は、先に説明した「合理的客観的理由、社会通念上相当な理由」が必要になります。

5年を超えて継続雇用されている場合は、希望すれば派遣社員も同様に派遣会社との間で無期雇用への転換が可能となります。つまり、派遣会社の無期雇用社員となるということです。

そうなると派遣先での3年ルールの適用が除外されますので、同じ企業で3年以上継続して就業ができる形になります。

合理的客観的、社会通念上相応な理由がない場合

では、雇い止めの理由が合理的客観的、社会通念上相応でなかった場合はどうなるのでしょうか。合理的客観的、社会通念上相応な理由がない場合は、雇い止めの撤回を求めることができます。

万が一、雇い止めの通告を受けた場合は、自分がどのケースに当てはまるか確認し、雇い止めが無効になるケースに当てはまる場合は、退職届や合意書へのサインはしないで確認をしましょう。

雇い止めの通知書

雇い止めをするためには口頭ではなく、雇い止め通知書を渡す必要があります。雇い止め通知書には決められたルールがありますので以下で解説します。

雇い止め通知書を渡す時期

雇い止め通知書は契約期間の満了の30日前までに渡さなければなりません。

雇い止め通知書に明記すべき事項

雇い止め通知書に明記すべき事項は以下のとおりです。

・雇い止めの理由
・対象者名
・会社名
・会社所在地
・代表者名
・押印

雇い止めの理由

雇い止めの理由ですが、契約満了とは別の客観的合理的で、社会通念上相当であると認められる理由の明示が必要です。代表的なものは以下のようになります。

・前回の契約更新時に、本契約を更新しないことが合意されていたため
・担当していた業務の終了・中止のため
・事業縮小のため
・業務遂行能力が十分でないと認められるため
・職務命令違反や無断欠勤など勤務不良のため

2 期間の定めがある場合
期間の定めのある労働契約(有期労働契約)については、あらかじめ使用者と労働者が合意して契約期間を定めたのですから、使用者はやむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間の途中で労働者を解雇することはできないこととされています(労働契約法第17条)。そして、期間の定めのない労働契約の場合よりも、解雇の有効性は厳しく判断されます。
また、有期労働契約においては、契約期間が過ぎれば原則として自動的に労働契約が終了することとなりますが、3回以上契約が更新されている場合や1年を超えて継続勤務している人については、契約を更新しない場合、使用者は30日前までに予告しなければならないとされています(「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」)。
さらに、反復更新の実態などから、実質的に期間の定めのない契約と変わらないといえる場合や、雇用の継続を期待することが合理的であると考えられる場合、雇止め(契約期間が満了し、契約が更新されないこと)をすることに、客観的・合理的な理由がなく、社会通念上相当であると認められないときは雇止めが認められません。従前と同一の労働条件で、有期労働契約が更新されることになります。(労働契約法第19条)

出典: https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou... |

雇い止めに関する判例

どのような条件だと雇い止めが有効だと認められるのか、逆に雇い止めが無効とされるにはどのような要件が必要なのか、判例で確認していきましょう。契約状況をもとに4つのケースに分けることができます。

東芝柳町工場事件(実質無期契約タイプ)

東芝柳町工場事件は最高裁で1974年に判決がでた事例です。東芝柳町工場は契約期間を2か月基幹臨時工として雇い入れていた7人が契約を5回ないし23回にわたって更新した後、勤務成績、リストラ、不良行為などを理由に雇い止めの意思表示をしました。

採用時会社は期間が満了してもまじめに働いていれば、解雇されるような事はないと言われ、長期継続雇用、本工への登用を期待させるような言動がありました。また契約更新の際、必ずしも契約期間満了の都度に新契約締結の手続きが取られていませんでした。

判例は、期間満了毎に当然のように更新を重ねていたことは期間の定めのない契約と実質的に異ならないとして、雇い止めではなく解雇の意思表示にあたるとしました。

ポイントは、更新手続きが形骸化しているなど期間の定めのない契約と実質的に異ならない状態に至っていると認められる場合は、雇い止めと認められないということです。

電気機器等の製造販売を目的とする会社が、契約期間を二か月と記載してある臨時従業員としての労働契約書を取りかわして入社した臨時工に対し、五回ないし二三回にわたつて労働契約の更新を重ねたのちにいわゆる傭止めの意思表示をした場合において、右臨時工が景気の変動による需給にあわせて雇用量の調整をはかる必要から雇用された基幹臨時工であつて、その従事する仕事の種類、内容の点において本工と差異はなく、その採用に際しては会社側に長期継続雇用、本工への登用を期待させるような言動があり、会社は必ずしも契約期間満了の都度直ちに新契約締結の手続をとつていたわけでもなく、また、従来基幹臨時工が二か月の期間満了によつて傭止めされた事例は見当たらず、自ら希望して退職するもののほか、そのほとんどが長期間にわたつて継続雇用されているなど判示の事情があるときは、右傭止めの効力の判断にあたつては、解雇に関する法理を類推すべきである。

出典: http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=54173 |

日立メディコ事件(期待保護<反復更新>タイプ)

日立メディコ事件は、1986年に最高裁で判決がでた事例です。日立メディコが柏工場は、臨時員として2か月の労働契約を5回更新していましたが、人員削減をするにあたり、他部門への配置転換や希望退職を行わず、臨時従業員を全員解雇しました。

臨時的作業のために雇用されるものではなく、雇用関係はある程度の継続が期待されており、5回にわたり契約が更新されていることから、雇い止めに当たっては解雇に類推されるとしました。

ポイントは過去に雇い止めをされた労働者がいても、実質的に業務内容が恒常的であり、労働契約が何度も更新されている場合は、労働者が継続雇用を維持できるものとして雇い止めは無効となります。

福岡大和倉庫事件(期待保護<継続特約>タイプ)

福岡大和倉庫事件は1990年福岡地裁で判決が出た事例になります。ある会社の下請け会社で臨時従業員として雇用されていた原告が、元受け会社に代わり大和倉庫から作業を請け負うことになった際にそのまま大和倉庫で勤務することになりました。

その際、大和倉庫と労働組合の間では、契約更新を前提とする旨の取り決めがされていたにもかかわらず、大和倉庫側が雇い止めを宣告しました。判例では、契約を終了させるやむを得ない事情は存在せず、契約期間が満了したことを理由とする雇い止めは許されないとし、雇い止めは無効となりました。

ポイントは雇用継続への合理的期待が、当初の契約締結時から生じて認められる契約である場合は、雇い止めが無効となります。ただし、このタイプに当てはまるものは少ないです。

亜細亜大学事件(純粋有期契約タイプ)

亜細亜大学事件は東京地裁で1988年に判決が出た事例です。1年契約の非常勤講師として雇用されていた職員が21年間雇用された後、昭和59年4月1月以降雇用契約が終了したとして就労を拒否した事件です。

亜細亜大学は毎年4月1日付けの辞令を4月下旬に交付して1年ごとに契約を更新してきました。また講師は専任教員と採用資格条件、勤務条件、賃金、退職金などに明確な相違があった、担当コマ数にも相当の違いがありました。

裁判所は、雇用契約が期間の定めのないものに転化したとは認められず、また、期間の定めがない契約と異ならない状態とも言えず、期間満了後の雇用形態が期待できるとすることに合理性がないと雇い止めを有効なものとしました。

ポイントは、雇用契約書を毎回提示していたこと、採用条件に明確な差があること、拘束度合いなどで結びつきが弱いと認められることから雇い止めは有効であるということです。

労使両方で正しい理解を!

ここまで雇い止めについて詳しく説明してきました。1年以上の有期雇用契約を結んでいる、契約更新を反復し継続して1年以上雇用されている、有期雇用が3回以上継続されている場合は雇い止めのケースに該当します。合理的客観的で、社会通念上相応の理由がない限り雇い止めは無効になります。雇い止め通知は契約更新の30日前に必要です。

雇い止めのトラブルを無くすためには労使双方で努力が必要です。被雇用者は自分の雇用条件をきちんと自分で確認し、契約書は保管しておくことが大切です。

雇用者は公正公明な手続きを行う事が大切です。雇用契約の更新の際は必ず書面でのやり取りをする、無断欠勤や能力不足を感じたらその時点で教育や指導を行い、その記録を残しておくなど普段からきちんと管理をすることが大切です。

有期雇用からの常時雇用への基準を決めたり、有期雇用の上限をあらかじめ定めておくこともトラブルの回避に有効です。

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