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公務員の退職金の計算方法・定年を延長した場合・減額される場合

公務員の退職金の計算方法・定年を延長した場合・減額される場合

公務員は給料が良く安定した職業と言われますが、退職金はどのくらい出るのでしょうか。勤続年数別の退職金の計算方法や国家公務員と地方公務員の違い、定年延長の影響や退職金の削減時期などの他、退職金にかかる税金や退職金の支給日など関連する情報を含めて紹介します。

初回公開日:2018年09月12日

更新日:2018年09月12日

記事に記載されている内容は2018年09月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。


公務員の給与水準は

公務員の退職金を知る前に、まず、公務員の給与水準が民間企業などに比べてどの程度なのかを見てみましょう。

民間企業の給与との調整

国家公務員の給与水準が民間企業の給与水準と均衡になるように、毎年、人事院が調査して民間に準拠するように勧告を行なっています。

平成29年時点で、国家公務員は約58.3万人いて、人事院勧告の対象となるのはこのうちの一般職と言われるなかの一般行政職員や外交官、税務署職員、刑務官、海上保安官など給与法適用職員の約27.5万人です。地方公務員の約275万人や国家公務員の特別職約30万人も、基本的には人事院勧告に準じて給与調整されます。

平成29年の人事院勧告は、事業所規模50人以上の民間企業の約53万人の給与調査と約12,500事業所のボーナスの調査の結果を、対象となる国家公務員の給与と比較して民間準拠の方針に基づいて勧告されています。

したがって、公務員の給与は基本的に民間企業の平均的な給与と同等程度になっています。

公務員の給与の実態

国家公務員の給与は、人事院給与局の「国家公務員給与等実態調査報告書」に詳細が報告されています。ここでは総務省の「平成29年地方公務員給与実態調査結果等の概要」から国家公務員を含む給与を見てみましょう。

平均給料に扶養手当や住居手当、地域手当などの諸手当月額を足した平均給与月額を、国家公務員と都道府県や指定都市、市、町村などの公務員別に下表に示します。この平均給与月額には時間外勤務手当は含まれていません。国家公務員が月額約41万円で、地方公務員より10%強ほど高い給与になっています。

区分平均給与月額平均年齢
国家公務員410,71943.6
都道府県371,27443.1
政令指定都市379,07941.8
特別区388,01041.6
358,53441.9
町村331,46441.4
地方公務員平均363,44842.3

民間給与の実態

国税庁の「民間給与実態統計調査結果」が企業規模別にも示されていて、民間企業の給与実態がよく解ります。下表に平成28年の資本金別の正規社員給与月額を示します。税務資料なので給与には時間外勤務手当も含まれています。

企業規模によって平均給与額もかなり違うことが解ります。国家公務員は時間外勤務手当を含めれば、資本金10億円以上の大企業と同等程度で、地方公務員も資本金1億円以上の企業と同等以上の給与レベルであると言えるでしょう。

資本金区分平均給与月額(千円)平均年齢従業員数(万人)
2000万円未満28144.5628
2000万~5000万円未満29843.7404
5000万~1億円未満31442.2324
1億~10億円未満35741.7389
10億円以上43142.0644
株式会社 計34142.92,390

公務員の退職金の計算方法

国家公務員の退職金は次の式で計算され、地方公務員もこの式に準じた式で計算されます。

退職金=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続年数別支給率)+調整額

この式による計算の仕方や勤続年数による具体的な計算例を紹介しましょう。

勤続年数別支給率とは

退職金の計算にでてくる退職理由別・勤続年数別支給率というのは、国家公務員退職手当法に定められていておおむね5年ごとに見直しがされています。

退職理由別は、退職理由が定年によるものや自己都合によるもの、応募認定などの早期退職によるものなどで支給率が異なります。最新の支給率は、平成30年1月1日以降の退職の場合のもので「国家公務員退職手当支給率早見表」に示されています。

最高の支給率は勤続35年以上の場合の47.709で、仮に退職日の俸給月額が40万円であれば退職金の基本額だけで、40万円×47.709=1908.36万円になります。

調整額とは

退職金の調整額は平成18年から始まった制度で、最後の5年間の職位に応じて加算されるボーナスのようなポイント制度です。例えば退職時に行政職10級の課長クラスであれば俸給月額が約55万円ですが、調整月額は54,150円なので年額65万円、5年間で325万円の調整額が退職金に付加されます。

なお、自己都合退職者で勤続期間が9年未満の場合は支給されないとか、勤続10年以上24年以下の自己都合退職者は調整額が半額になるなどの規則もあります。

人事院勧告に基づいて給与法が改正されるたびに、調整額も調整されます。調整額の資料の一例を添付します。

勤続10年での退職金

勤続10年での退職は、学卒で公務員になって30歳代前半で自己都合で退職するケースがほとんどでしょう。

人事院給与局の「平成29年国家公務員給与等実態調査報告書」によると、行政職(一)の2級と3級の中間程度の年齢に相当します。2級の適用俸給227,905円と3級の俸給299,479円の中間程度の26.5万円を退職時の俸給として計算してみましょう。

自己都合で勤続10年の場合の退職手当支給率は5.022なので、退職金の基本額は26.5万円×5.022で133.1万円になります。行政職2級の場合は調整額がつきません。

退職手当支給率は、自己都合でなければ8.37、公務上の死亡や傷病が理由の時は12.555になります。いずれにしても、勤続10年では100~200万円程度の退職金にしかなりません。

勤続20年の場合は

勤続20年での退職も、学卒で公務員になって40歳代前半で自己都合で退職する例が多いでしょう。

国家公務員給与等実態調査報告書によると、行政職(一)の3級と4級の中間程度の年齢に相当します。3級の適用俸給299,479円と4級の俸給361,089円の中間程度の33万円を退職時の俸給として計算してみましょう。

自己都合で勤続20年の退職手当支給率は19.6695なので、退職金の基本額は33万円×19.6695で649.1万円になります。行政職3級の調整額は年額20万円なので5年で100万円ですが、勤続10年以上24年以下の自己都合退職者は半額になるので50万円です。基本額と合わせて約700万円が退職金になります。

退職手当支給率は、自己都合でなければ24.586875、公務上の死亡や傷病が理由の時は26.3655なので、自己都合より退職金は150~200万円程度増えます。

勤続30年では

勤続30年では自己都合以外に定年や、早期応募認定退職の場合もあるでしょう。自己都合の場合を中心に計算してみましょう。

50歳代前半だと、行政職(一)の5級~7級が多いと思われますがここでは6級の適用俸給401,878円、40.2万円を退職時の俸給として計算してみましょう。

勤続30年の自己都合での退職手当支給率は34.7355なので、退職金の基本額は40.2万円×34.7355で1396.4万円になります。行政職6級の調整額は年額40万円なので5年間で200万円です。基本額と合わせて約1600万円が退職金になります。

退職手当支給率は、定年退職や早期応募認定退職の場合は40.80375なので、退職金の基本額が1640万円になって調整額と合わせて1840万円が退職金になります。役所での出世次第では2000万円をはるかに超えることもあるでしょう。

国家公務員と地方公務員の退職金の違い

国家公務員と地方公務員の退職金には、基本的に大きな違いはありません。地方公務員の退職金は、人事院勧告などに基づいた国家公務員の給与体系に準じているからです。

ただ、地方自治体の財政状況などによってか、地方公務員のほうが国家公務員より若干高い退職金になる傾向が統計資料には出ています。国家公務員と地方公務員の退職金の比較を下表に示します。

国家公務員のデータは内閣官房の「退職手当の支給状況(平成28年度退職者)」から、地方公務員については総務省の「給与・定員等の調査結果等ー退職手当の支給状況」から引用しています。全職員の平均では、指定都市>市町村>都道府県>国家公務員の順位になっています。

区分全退職者平均(万円)定年退職者平均(万円)
国家公務員1,0932,168
都道府県職員1,1692,296
政令指定都市職員1,6232,245
市町村職員1,5572,108

公務員の退職金の格差

公務員の退職金は平均値では大きな差はありませんが、職位の違いでは大きな差がでます。国家公務員の場合では、本省でも事務次官と課長補佐との間では3倍近い差がつきます。

データとしては少し古いのですが、人事院の平成19年度の「国家公務員の退職手当制度の概要」のなかでモデル退職手当額を示していますので参考に下表にまとめます。10年以上前のデータですが、本省課長補佐が60歳で2,725万円のところ事務次官となれば7,000万円以上の退職金です。

ポスト事務次官局長審議官本省課長
年齢59歳56歳54歳56歳
勤続年数37年34年32年34年
俸給表・級号俸指定職8号棒指定職4号棒指定職2号棒行(一)10級21号棒
調整額415万円375万円345万円310万円
退職手当額7,594万円5,955万円5,126万円3,925万円

公務員の定年を延長した場合の退職金

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公務員も定年延長が話題になっていますが、定年が延長になった場合の退職金はどうなるのでしょうか。現在、原則60歳が定年になっていますが、定年を3年ごとに1歳ずつ延長して2033年度に65歳とする方向で政府が検討に入っています。

2021年度からの着手を目指すとしていますので、2021年度に48歳以下の人から65歳が定年退職になります。現状でも勤続35年以上、55歳頃から俸給はほとんど昇給されないのが実情ですが、65歳定年になるとさらにその傾向は強まるでしょう。

退職手当支給率の改悪などを心配して悲観的な意見が多くなっていますが、人事院勧告による民間との格差是正のシステムが維持されれば世間並み以上の退職金が公務員には支給されるでしょう。

公務員の退職金が減額される場合

公務員の退職金は、人事院が民間企業の退職金の状況を5年ごとに調査して、公務員の退職金の水準が高い場合には減額されることがあります。給与については毎年民間給与を調査して人事院勧告が出されますが、退職金については5年ごとの調査で必要な場合は国家公務員退職手当法が改正されます。

組む院の退職金が減額された過去の調整事例などを見てみましょう。

退職手当の引き下げ勧告の事例

公務員の退職金に関して人事院の勧告で国家公務員退職手当法が改正されたことは、過去にたびたびあります。

昭和48年:官民比81%のため公務員の退職金を20%引き上げ
昭和56年:官民比110%→8.3%引き下げ
平成15年:官民比105.6%→5.5%引き下げ
平成25年:3年間で段階的に14.9%引き下げ

引き上げられたこともありますが、この40年間くらいは引き下げの歴史です。

公務員の退職金の削減はいつからか

公務員の退職金の削減につながる最新の人事院調査の結果が平成29年4月に示されました。調査の結果やそれを受けての国家公務員退職手当法の改正などについて紹介しましょう。

平成29年の人事院調査

退職金についての人事院の最新調査は平成29年で、結果は民間の退職金が2,459.6万円で国家公務員が2,537.7万円、公務員のほうが78.1万円、3.08%高いことが解りました。

調査は無作為に選んだ7,355社から、退職金および企業年金の有無とその内容に関して調査を行なって、有効回答を得た4,493社のデータをまとめた結果です。

平成30年1月に法改正

人事院の調査結果を受けて、政府は公務員の退職金を3.37%引き下げる国家公務員退職手当法の改正案を平成29年11月17日に国会に提出し、12月8日に政府原案どおり成立して12月15日に公布されました。平成30年1月1日に施行されましたから平成30年以降に退職する人に適用されます。

過去の調査で退職金の官民比が103%だったことが平成8年度にもあって、この時は法改正もなく引き下げられませんでした。今回は民間の退職金の伸びの鈍化なども考慮して削減の方向になった可能性があるでしょう。

退職金にかかる税金は

退職金には所得税がかかりますが、所得税が控除される退職所得控除額が勤続年数などによって定められています。控除額の計算方法や所得税率を紹介しましょう。

退職所得控除額は

退職所得控除額は勤続年数によって異なります。勤続年数をAとすると退職所得控除額は次のようになります。

勤続年数が20年以下の場合:40万円×A
勤続年数が20年を超える場合:800万円+70万円×(Aー20年)

例えば、勤続年数が30年の場合は退職所得控除額が1,500万円になるので、退職金が1,500万円までなら退職金に所得税はかかりません。

退職金の所得税率は

退職金から退職所得控除額を引いた額の1/2が課税対象の退職所得とされ、その額に応じた所得税率と控除額が定められています。

退職所得(課税対象額)=(退職金ー退職所得控除額)×0.5

退職所得(課税対象額)に対する所得税率と控除額を下表に示します。

例えば、勤続40年で退職金が2,700万円の場合の所得税を計算してみましょう。退職所得控除額は800万円+70万円×(40年ー20年)なので2,200万円になります。課税対象となる退職所得は(2,700万円ー2,200万円)×0.5なので250万円です。所得税率は10%で控除額が97,500円なので、所得税は250万円×10%ー97,500円で152,500円になります。

退職の年の退職金以外の収入が少ない場合や各種の控除などで税金が還付される可能性もありますので、退職の年は確定申告することを特におすすめします。

退職所得(課税対象額)所得税率控除額
195万円以下5%0円
195超~333万円10%97,500円
333超~695万円20%427,500円
695超~900万円23%636,000円
900超~1,800万円33%1,536,000円
1,800超~4,000万円40%2,796,000円
4,000万円超45%4,796,000円

公務員の退職金の支給日

公務員の退職金の支給日は、国家公務員退職手当法で退職した日から起算して1カ月以内に支払わなければならないと決められています。

退職者が多い3月末に退職した場合は、翌4月中に退職金が支払われるということになります。事前に入金の通知や遅れる場合にはその旨を記載した通知が届くことになっています。

退職金の運用についての参考書籍

退職金は人生100年時代と言われるなかで、老後などの大切な資金にもなります。退職金などの運用について参考になる書籍を紹介します。

銀行では絶対に聞けない資産運用の話

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退職金は老後の大切な資金

退職金は老後の大切な資金としての使い道が一番多いでしょう。60歳で定年退職するとしても人生100年時代、あと数十年は確実に生活していかなければなりません。しっかりとした生活設計と資産運用などの工夫で、お金のストレスが無い人生を送るよう心掛けましょう。

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