トラック運転手の平均睡眠時間・短い原因・睡眠不足での乗務禁止理由
初回公開日:2018年06月06日
更新日:2018年06月06日
記事に記載されている内容は2018年06月06日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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トラック運転手の平均睡眠時間は?
近年、益々過酷な職業になりつつあるトラック運転手ですが、平均睡眠時間はどのくらいなのでしょう。イメージとしては、睡眠時間が取れない職業という感じがしますが、実際のところが気になります。
毎日の睡眠は?
会社や部署など待遇にもよるでしょうが、平均的に多いとされる睡眠を見てみましょう。特殊な職業ですので、毎日の睡眠時間は不定の人が多いといえます。
睡眠時間3時間
引っ越しのトラック運転手や、長距離のトラック運転手の睡眠時間にはありがちな3時間です。荷物の積み降ろしも、トラック運転手自身が行う場合なら時間が必要です。荷物がリフトで積めるとは限らないからです。
睡眠が取れなくても忙しいときは、荷物をあちらからこちらへと運ばなくてはなりません。荷物を下ろした先で、また荷物を積んですぐに走らなければならないなど、睡眠時間の確保も難しいときがあります。
夜通し走り続けたり、睡眠時間が3時間というのは、ほぼ仮眠に近いでしょう。トラック運転手でなければ、睡眠時間3時間で運転する気にはなれません。安全面も気になりますが、睡眠時間を削って運ばなくてはならないという現実があります。
睡眠時間4時間
トラック運転手の睡眠時間が4時間というのは、よくあるともいえます。一般的に考えると少ない気もしますが、トラック運転手にとってはザラでしょう。
長距離運転手や引っ越し業など、とにかく荷物を運ばなくてはならないので、距離と時間を考えると、ゆっくり寝ている時間は無いといえます。
4時間の睡眠時間とは別に、食事も摂らなくてはなりません。時間が無ければ運転しながら食べることも珍しくないはずです。
睡眠時間が4時間では、充分ではなく、眠気も起こるでしょう。トラック運転手の人たちは、それぞれに工夫しているでしょうが、睡眠時間が確保できないことが続くと堪えます。
睡眠時間5時間
長距離のトラック運転手などでも、あまり無理のない荷物状況なら5時間くらい睡眠時間が取れるでしょう。
決まったコースだったり、決まった荷物なら、睡眠時間も決まった時間分を確保しやすいです。しかし、現実には、そんな仕事は少ないと言えます。
睡眠時間が5時間取れる日と取れない日もあります。トラック運転手には、しっかり睡眠時間を取ってほしいところです。5時間でも十分とは言えません。
荷物を運びながら、睡眠時間が5時間取れるのは良い方とも言えます。きちんと睡眠時間が取れるのか、できることなら会社に入る前にチェックしたいところです。内部の情報は、なかなか分からないので、同業者に聞くなどしたいところです。
充分な睡眠時間
トラック運転手のイメージとしても、実際にも、睡眠時間は短いでしょう。しかし、運送会社や便によっては、充分な睡眠時間が取れることもあります。長距離でないトラック運転手も、睡眠時間が安定していることが多いでしょう。
安定した取引先がある会社なら、社員に決まった休みを設けていたり、過酷な状況にならないような配慮もなされているでしょう。なので、睡眠時間が無いまま運転するということも避けられます。
長距離のトラック運転手でも、荷物を積んだ先からの移動が短いとき もあります。あまり長距離ではない近い場所に荷物をおろすとき、それが翌日着でいい場合なら、充分な睡眠時間を確保できるでしょう。運賃的には安いこともあるでしょうが、たまには充分な睡眠時間も必要です。
トラック運転手の睡眠時間が短い原因は?
トラック運転手の睡眠時間は少ない傾向があります。きちんと睡眠時間が取れているトラック運転手もいるでしょうが、睡眠時間が短い人の方がダントツで多いです。
では、なぜ睡眠時間が短くなってしまうのでしょう。できることなら、睡眠時間を多く確保してほしい業種ですが、現実には難しいです。睡眠時間が短くなってしまう原因を見てみましょう。
トラック運転手は拘束時間が長い
長距離のトラック運転手や引っ越し業のトラック運転手は、拘束される時間が長いです。あちらからこちらへと荷物を運ぶ長い時間、自由がききません。
だいたい12時間以上 は拘束時間となることが多いでしょう。時間に余裕が無ければ、運転して走らなければ間に合いません。その結果、睡眠時間も確保できずに短くなってしまうということになるのでしょう。
忙しいときは、睡眠時間というよりは仮眠時間と言った方が正しいでしょう。それほど、まとまった睡眠を取るのが難しい仕事だといえます。
荷主の権力が強い配送業界の風潮
今や、 荷主の権力が強いあまりに、トラック運転手側が受け身 になっているといえます。どう考えても無理な配送や、荷主側からの注文点が多すぎるなど、深刻な現状もあるでしょう。
しかし、仕事を取らなくてはいけないし、断るにも断れないところもあるでしょう。無理な仕事の上に、運賃は安かったりと、厳しいことが多いといえます。
荷主あってのトラック運転手ですが、あからさまな一方的になってしまう問題に直面しています。現実に労力を使い運んでいるのはトラック運転手です。仕方ないの一言で済ますことのない対策が求められています。
トラック運転手の人手不足
トラック運転手の人手不足は深刻です。新たなトラック運転手が育たず、減る一方だといいます。トラック運転手は必要とされているのに、トラック運転手になる人が減っているのですから大変です。
近年、ネット通販が拡大したり、荷物の流通は増える一方でしょう。多くの人が利用している中で、運んでくれる業者が減ることは心配です。
過酷な仕事のイメージもあり、労働法の違反などを見聞きすれば、トラック運転手を志す人も減っていくのは仕方ないともいえます。荷物はあるのに、働き手がいないので、現役トラック運転手に無理な仕事が入ってしまうことも多いでしょう。
人が足りないので、仕事の割り振りができないという現状もあるでしょう。できれば、きちんと人手の確保ができている会社で働きたいところです。
重労働なトラック運転手
長距離を運転するというだけでも大変な仕事です。しかし、長距離走行した先では、荷物の積み降ろしをしなければなりません。
トラック運転手自身で積み降ろしをする場合が多いでしょうが、バラ積みの場合は体力も必要です。 リフトなどで積めるとは限りません。すべて手で積み降ろしなど、重労働となりえます。
運転好きなら向いている職業と言えますが、運転だけでは終わらないという重労働感は、さらに人手不足を招いているでしょう。
家に帰れない
長距離の運転手なら、あまり家に帰れないことが多いでしょう。一般の会社員のように毎日帰宅して、家から出勤ということは難しいでしょう。
免許の取得
当然ながら、トラック運転手になるには、まず大型免許を取得していなければなりません。普通免許が無ければ一からですし、費用的にもかさめば考えてしまいます。
駐車場所の確保
トラック運転手が睡眠を取るのは、仕事中となることが多くなります。仕事中であるということは、トラックの車内で睡眠をとることになります。
そこで、どこかへ駐車しなければならないのですが、大型なのでなかなか場所が見つからないこともあります。4トントラックだと駐車しやすいですが、10トントラックになると場所を選びます。
馴染みの道のりなら、駐車ポイントも分かっていますが、不慣れだったり都内など、分かりづらいところでは、駐車場所の確保に手間取ることもあります。眠気を感じて、少し仮眠を取ろうにも、すぐに駐車できないことも多々あります。普通車のように、 気軽に駐車する場所が少ないのも、トラック運転手ならではの悩みです。
トラック運転手の睡眠時間不足は乗務禁止が義務化?
トラック運転手の睡眠不足は深刻です。睡眠不足のまま走行するのは、非常に危険なことです。しかし、仕事となると無理をしてしまう人は多くなります。トラック運転手の場合、睡眠不足だからと断ることもできません。
近年、トラック運転手の睡眠不足が原因となり、重大な事故なども増えています。貨物自動車運送事業法などに基づく省令を改め、 睡眠不足のトラック運転手は乗務禁止となりました 。今までは、病気や疲労、飲酒など、乗務禁止とされる項目はあったものの、睡眠不足は含まれていませんでした。
チェックを
事業者は、トラック運転手の睡眠が充分かどうかのチェックが必要となりました。それほど重大な項目です。睡眠不足のまま走行するのは危険だと分かっていて走らせるのは、責任を問われることになります。
点呼のとき
睡眠不足で安全運転ができないと感じたら、点呼のときなど事業者に伝えなければならないことも改正されています。
事故の増加
近年、トラック運転手による事故が多発しています。トラックは大きく、高速道路ではスピードも出ています。ほんの一瞬で、重大な事故になりえます。
トラック運転手の 事故の原因は、睡眠不足からくる ものがほとんどでしょう。睡眠不足の状態で走行することは非常に危険です。
注意が散漫になったり、視野が狭まったり、人や車に気付くのもかなり遅くなるでしょう。しかし、トラック運転手は仕事だからと無理をしてしまうこともあります。忙しければ仮眠を取ることもままならず、次の目的地へと車を走らせなければなりません。
そんなトラック運転手がたくさんいれば、事故も増えてしまうでしょう。それを防止するために、睡眠不足の場合は乗務禁止とされています。睡眠不足を測れるものでもなく、難しいところですが、眠気を感じた際は安全を第一に考え、適度な休憩をとることも必要です。
睡眠時間の基準
睡眠時間には個人差があります。 基準は無い そうですが、睡眠不足を感じたまま走行しないことが大切です。
トラック運転手を応援したい!
トラック運転手になるなんて、考えたこともない人が多いでしょう。トラック運転手の事故と聞いても、無関心な方も多いでしょう。
しかし、身の回りで使っているものや普段の買い物の中にも、 トラックで運ばれてくるものがほとんどでしょう。トラック運転手がいなければ、たちまち生活に支障をきたします。
トラック運転手の需要は増える一方、人手不足が心配されます。睡眠不足のまま走行しないように、トラック運転手を応援していきましょう。
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